×月●日 マリーさんが爆弾の実験をしたいと言い出して、急遽近くの森に実験を兼ねていくことになりました。
以前偶然私とマリーさんの魔法の発動のタイミングとが重なり、効果がかけ合わさったところものすごく強力な威力を持ったので
もし爆弾でやった場合どうなるか?と思ったそうなのです。
そこでマリーさんはフラムを、私はマリーさんが改良した水属性の爆弾を持って歩いているのです。
爆弾という可燃性のものが水属性になるわけがない、と思うのが普通ですがマリーさんはやっぱり普通じゃないのであまり考えてはいけません。
水属性…つまり水の中で燃える不思議な爆弾を作り、水の魔物用に作り上げたのです。
で、そんなこんなで私たちはえっちらおっちらとこの改良爆弾を抱えて歩いているのでした。
ウルフや盗賊を軽くプチしたマリーさんと私は近くの森の中にある大きな泉の前に辿り着いたのですが、
荷物を降ろしたマリーさんはまるで疲れを見せることなく早速実験の用意に取り掛かっています。
「…よし。用意はいい、エリー?」
片手にフラムを持ったマリーさんが、傍らで同じように爆弾を持った私をほんの少しだけ緊張した面持ちで振り返ったので「はい」と私は言葉少なく頷きました。
失敗すれば大事に至る可能性もあるのです。
今までこのような前例をやった前例はないのですから。
でも錬金術師の本能(というか好奇心)を捨ててしまったら、私たちはもう錬金術師失格なのです。
きっとそうなのです。
っていうかそういうことにしておかないと…後が怖すぎて考えられない…
「んじゃ、いっちにーのさん!で投げるからね!」
そんな内心の私の思いに気づくことなく、マリーさんが元気よく叫んで投げる構えを取ったので私も覚悟を決めて体勢を整えたのです。
「「いっち、にーの、さん!」 いっけー!!」
■挿絵:綾姫■ |
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二人で振りかぶって投げた爆弾は泉の真上で絡み合うようにぶつかり、そして…しゅんという音と共に消えてしまいました。
「…あれ?なんで?」
「あのう、マリーさん。火と水が合わさったら消えますよ、よく考えなくても」
「…あ゛。しまったぁあああああああ!」
今頃気づいたかのように空を仰いで絶叫したマリーさんでしたがゆっくりと私のほうを振り向くと、とほほといわんばかりの表情で苦笑いをして言いました。
「ごめんね、エリー。馬鹿な実験につき合わせちゃって。とっとと気づけばよかったよ。それに…」
さらに謝り倒そうとするマリーさん。
でも私はそれを遮ってやっぱりこういってしまうのです。
「でも、ほんのちょこっとだけ楽しかったです。だからもういいですよ」と。
実験結果:爆弾といえど火と水の属性の場合、打ち消しあって効果が消える。
≪綾姫より≫
お絵描きチャットでマリーを描いている間に、kurumiさんが即興で素敵なお話をつけてくださいました。
あんまり素敵なのでログが消えるのはもったいない!とだだをこね、画像でログをとってもらってテキストにおこしていただきました。(なんてわがままな!) <お絵描きチャットのログはコピペできないのです
奔放なマリーさんもいいけど、優しいエリーちゃんにほわほわしますvvv
kurumiさん、本当にありがとうございました!(≧▽≦)ノ