story


伯母に託された封筒を手に訪れた、辺鄙な山奥。
そこには、隠れるようにひっそりとたたずむ研究所があった。

迎えたのは、黒川鎖衣(くろかわ さい)という研究所員の男性。
そこでわたしは、その研究所員によく似た少年、シアンに出会う。

「おかあさんはどこにいるの!?」

伯母を母と呼ぶその少年は普通の人間ではなく、クローン技術によって生み出されたクローン人間だった。

「おかあさん」に会いたいという一途な願いをぶつけるシアン。
かつて慕っていた研究責任者を憎み、心を閉ざす鎖衣。

その裏にある切ない事情を、わたしはまだ知らなかった・・・。