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……そして、12月31日、深夜のヴィラント山山頂。
―ひゅうぅぅぅ……―
渇いた冷たい風が吹き抜けてゆく。冬で、夜で、山の上。寒くないはずがない。
一応焚き火をしてはいるが、これはどちらかといえば怪物避け、といったほうが正しいだろう。とにかく、それくらい寒いのだ。
だから自然と2人は寄り添って座っていた。
「寒いねぇ……ックシュン!」
「大丈夫か…?」
「うん……ねえ、ダグラス。」
「なんだ?」
「マントの中入れてくれない?」
「!………あ、あぁ…。」
「ふぅ〜、暖かい…。」
…ダグラスの心臓は、まさに早鐘だった。
顔に赤味が差し、先程までの寒さが嘘のように、どんどん暑くなってくる。
実は、エリーのほうも似たような状況なのだが、彼が気付くはずも無く。
こ、こういうときはどうすりゃいいんだ!?
やっぱ肩抱いてやったりしたほうがいいのか?
………ああ、もう面倒くせぇ!

ぐいっ

マントの中で、エリーの肩を抱き寄せると、彼女は一瞬びくっと跳ね上がった。
ダグラスの心の中に後悔の波が押し寄せてくる。しかし
「……………あったかいね………。」
彼女は、目を閉じてそっとダグラスにもたれかかった。
すると、先程までの混乱はどこへやら。逆に妙に落ち着いた彼は
「ああ……。」
とだけ呟いた。


それから2人は他愛ない話をしながら、朝を待ち続けた。
途中、何回かエリーが眠ったりもしたが、そのたびにダグラスに起こされていた。
「明るくなってきたね…。」
「ああ…もうすぐ、日の出だ…。」
空が白んでいく。雲の影が広く、濃くなっていく。辺りが、白と黒に染まっていく。
そして……
「あ、出た…!」
東の大地から、太陽の光がまっすぐにのびて、ザールブルグを照らし始める。
「素敵………。」
その光景に見惚れるエリーと、そんな彼女を見つめるダグラス。
どちらも眩しそうに目を細めている。
「………。」
と、エリーの首に、銀色の目の細かいチェーンがかけられた。チェーンには同じ銀色の指輪が通っている。
「だ、ダグラス…?」
「…これでよし…っと。」
「これって…?」
不安げな瞳で、ダグラスを見上げるエリー。ダグラスはあらぬ方向を見上げたまま、ぼそりと言った。
「…大切に、持っとけよ。いつか、ちゃんと指にはめてやるから。」
「え………。」
改めてその指輪を見てみると、それはとてもシンプルなもので。それはまるで、婚約指輪のようだった。
「もしかして……これって…。」
「なくさないように、肌身離さず持ってろよ。なくしたら、もう知らねぇぞ。」
「……絶対、絶対なくさないよ…。ありがとう……嬉しい…。」
言いながら、エリーはダグラスに抱きついた。ダグラスも、あらぬ方向を見たままそれに応えた。
そうして2人は日が昇るのを静かに見つめ続けて…
「う〜ん……。」
「……エリー?」
「…すー…すー…。」
「……………。」
…既にエリーは寝息を立てていた。
ダグラスは呆れたように溜息をつくと、彼女にマントをかけなおした。
「ほんとに、なくさないでくれよな…。」
そして、彼女の額に優しくキスをした。


太陽は、すでにザールブルグ中を照らし出していた……。


                                  ――おしまい



≪作者様のコメント≫
えーと……
お待たせしまくってごめんなさい!
そして時間に比例してない出来でごめんなさい!!
わあぁ、なんですかこれはー!?(聞くな)
なんか時間の流れもおかしいですね…
タイトルもお約束というかなんというか……
うう、ぜんっぜんつりあってないですね(TT)
こんな駄文でよければ貰ってやってください〜
……え、いらないっすか!!(ガーン)


≪綾姫より≫
いえいえいえ、素敵ですっ!!ありがとうございます〜!
あんなものに続編つけていただけるなんて。
ダグのプレゼントもぐーです!もらってすぐ寝ちゃうエリーもかわいい☆
綾姫のわがままに見事に応えてくださって感激です。
これからもよろしくお願いします♪


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