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砂丘の夢


・・・誰かを探していた。
でも、その人の顔をどうしても思い出せない。
だけど、どうしても会いたくて、会いたくて。
必死で探し続けていた。


・・・これは現実?
それとも夢?


「・・・・・・だよ。エ・・・・・」
「・・れは・・・・・・の・・・かな」


切れ切れの、記憶。
その人は確かにいる、わたしの中に。
わたしは声にならない叫びで、その人を呼んだ。
・・・・・!


会いたい。
会いたい。
あなたに。


後ろに迫るのは、闇。
呑まれてしまうと、あなたが見えなくなる。
だから、わたしは走る。
あなたのかけらを求めて、体中が前を見る。
手を伸ばす。


わたしは・・・
わたしは・・・
わたしが今、求めているものは。


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